福満しげゆき氏の小規模な生活に思う

正直言って6巻は買いです。
福満しげゆき氏の、僕の小規模な生活(6) (KCデラックス)

僕の小規模な生活の今までコミックスのなかで一番内容が濃く、笑いどころ有り、そして感動した。

前半は、僕の小規模な生活(5) (KCデラックス)から引き続きの、
青春時代の福満氏に大きな影響を与えた女の子との話。
5巻から書き進めて来た内容を完結させ、そして「過去」と「今」との自分に話をつなげるやり方が上手い。
表現というか、構成が上手いのだろうか。不覚にもじーんと来た。

そしてそのあと、福満氏の中二病の時の話。
このエピソード、これまで読んだ彼の作品のなかで一番笑った。
表紙カバーをめくって二度笑える。この1話のためにこの本買っても良いと思う。

さらに途中には、モーニングに連載された短編「日本のアルバイト」を収録。
これまた、予想以上に面白かった。ストーリー漫画として連載を続けてほしいと思った。
僕の小規模な生活(3) (モーニングKCDX)に載っていた、マガジンで連載された「東村山あたりの夕日」とは全く違う。

そして最後。個人的に感動した彼の台詞がある。
週間連載で自転車操業している苦しい毎日がこれからも続く事に一瞬絶望しながらも、
子供と家族を支える彼が紡ぎだした言葉。
ネタバレとなるため以下伏せさせていただくが、以下のようなものだ。

できるかできないかじゃない、やるかやらないかじゃない、やるんだ!

私は感動した。
あの、うじうじして、他人と自分を比較しては虚勢を張る、漫画以外の仕事も長続きしなかった彼が、
このような発想を持てるのかと。
家族という重しを力に変えて、人は変わるのだと。

おそらく、僕の小規模な失敗の頃の彼に共感しあの作風が好きな人には、
受け入れにくい変化かもしれない。
しかし私はこの変化を歓迎したい。
たった5年か10年かそこらで、家族を担った事で、一人の男にこんな変化が訪れるとは。
これを成長というのだろうと、感銘を受けた。
一人の駄目な男性の成長の物語として、
僕の小規模な失敗から続けて僕の小規模な生活(6) (KCデラックス)まで読むのも面白いかもしれない。
まあそれでも、きっと、7巻にはまた駄目なところが盛りだくさんなのだろうけれども。